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純正部品販社から見た「部品商の最新事情」

2020.12.26 2023.07.13

自動車新聞社発行「月刊アフターマーケット」 
2020年6月号~9月号特集記事論考

「月刊アフターマーケット」は、純正部品販社で構成されるGP会の事務局でもある自動車新聞社が発行する月刊誌で、毎月全国の純正部品販社及び一部の部品商に届けられています。

「月刊アフターマーケット」本年6月号から9月号に「部品商の最新事情」という特集が組まれました。全部協が毎年実施している「基礎統計・取引実態調査」2019年12月調査を、純正部品販社サイドの視点から解析したものです。

本来は、全部協自身が行うべき作業ですが、幾つかの点で、ポイントを的確に捉えていると思う部分がありましたので私自身のコメントを加えて紹介します。

※青の下線部分が私のコメントです

1.

純正部品販社は、部品商を「補修部品供給網のラストワンマイルを担う不可欠な存在」と評価、「最も重要な領域を担っている」とも評価しています。
その根拠として挙げられているのが、全国の認証工場91,605軒のうちディーラーを除く指定・認証工場数が8割超、その8割以上の整備工場を部品商がカバーしていると指摘しています。
全部協のキャッチコピーである「ホントの主役は部品商」が純正部品販社からも認知されていることになります。

2.

部品商の規模は、年間売上4億未満が50%、最も多いゾーンが年商1億~2億。 
年間売上は、4社に3社が横ばい若しくは売上減少、5社に1社はいずれ廃業を想定、売上を伸ばしているのは4社に1社(年商4億以上に多い)

3.

売上減少の最大要因は取引先の業績不振と同業部品商との競合激化

4.

部品商の数は減少基調が続く、認証工場の数も同様、1年で256社、5年で608社減少

5.

ネット通販は部品商の競合であると同時に新たな活路モノタローの年間売上高に占める自動車関連商品売上高は10%以下、90億円前後、 大手部品商1社レベル。ネット通販の品揃えや価格の安さは、限定的で瞬間的、整備工場が求める商品をすべて、競争力のある価格で常時提供できる事業者は存在していない。脅威的な存在まではいかない。もしも部品卸商社や部品メーカーが直接仕入れに応じれば活路は絶たれることになるが、部品卸商社が、そうした選択をする可能性は限り なくゼロに近い。

6.

「今まで通りにはやっていけない」が4社に1社。
「同業他社との連携の可能性を模索している」が、規模に関わりなく6社に1社

自動車産業は、脱炭素・電子制御装置整備、自動運転、MAASの時代に転換していきます。部品商にとっても存在価値を問われる大転換です。
基礎統計調査で6社に1社が同業他社との連携を模索しているという事実は、どの方向に進めば持続可能な経営基盤が構築出来るかを、有意の部品商は必死に模索していることを意味しています。弊社のオートアライアンス+戦略が、どこに活路を求めていくべきか、全力投球で答を出す時期がきていると思います。

7.

「取引先の困り事解消」こそ部品商の活路 
エーミング請負・電子制御装置整備支援が、大手部品商を中心に動き出している。
弊社もエーミングジャパンも含め検討していますが、軽々には判断できない難しい事情があります。弊社は、「お客様がして欲しいと望む願いを実現しよう」をミッションに掲げ、かねてから、新車、中古車、車検、点検紹介をはじめ、人財斡旋紹介、経営相談など、お客様に寄り添う経営/共に成長するパートナーとなることを目指して来ました。そのことを更に深めて「取引先の困り事解消」という観点から全社員が「お客様の困り事解消」を念頭にお客様に寄り添う営業を徹底して欲しいと思います。

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