社長からの手紙

上高地自動車TOP > 未完の自伝 > プロローグ|はじめに

プロローグ|はじめに

2022.02.24 2024.04.18

私の名前はジャッカル。
不正や不条理、理不尽を撲滅することを仕事としている。不正がまかり通り、弱者が放置される世の中が許せないからである。職業は弁護士でも政治家でも学者でもない。会社経営の仕事はしているが、人を紡ぎ、慈しみ、アメイジングに生きるよう煽ったり、人類史のゲームチェンジを画策鼓舞している。若い頃はゴルゴ13と言われていたが、最近ではジャッカルと呼ばれるようになった。世界の在り様を問い、幸せの種を探し、不条理をジャッカル(奪う)するために生きているからである。

年齢は48歳。最新の解析コンピューターが弾き出した私の年齢だ。通常使われている戸籍年齢は単に足し算をしただけの意味のない数値であるが、解析コンピューターはボディエナジーや免疫力、戦略策定力、人間求心力、人間共振力などを総合的に判断して評点を算出する。進むべき羅針盤を持って、ワンダーな生き方を貫いていることが年を取らない最大の秘訣らしい。彼女がいないことが多少の減点対象となっているらしいが、毎日がワンダー、毎日がブレイクスルーである。

とは言っても、心肺を酷使した累計年数は戸籍年齢と一致するので、毎日が余命24時間のつもりで生きている。気力もパワーも衰えていないが、明日生きている保証がないので猛スピードで跳び回っている。若い頃、2回も殺されかかったことがあるので夜中に跳び起きてしまうのである。〝歴史の真実を遺す〟、これが私の人生最後のミッションである。毎日が最後の仕事になるかもしれないからである。

私は、諜報機関に目を付けられるような危険なことを毎日のように口走っている。だから、どこにいるか誰にも判らないようにしている。イスタンブールの裏通りでカルメンと一緒にいたとか、エルニドで自由の女神と水浴びをしていたとか、最新情報ではマチュピチュにいたという情報があり、ジャッカルが若者を連れてインカ道をクスコに向かって歩いていると言う。リマで特殊装備した帆船に乗り込み、タヒチ、オークランド、タスマニア、シドニー、ジャカルタ、コタキナバル、エルニド、マニラ、ハノイ、バンコック、シンガポールを寄港しカルカッタまで。風力、太陽光、海水電気分解水素発電、全固体蓄電池の自然エネルギーだけで航海すると言っているらしい。

核無力化/インクルージョン/サスティナブルグリーンの錦の御旗を押し立て、ワルツィングマチルダと世界196ヶ国の国歌をエンドレスで演奏し、太平洋横断クルーズをやると言う。航海中は、光合成シーズを散布しながら塩を作り、海水を淡水化して豊富な海洋資源を調達し、寄港地に新鮮な魚を届け、カルカッタを目指すと言う。光合成シーズは、蒸発して大気圏内の炭酸ガスを食べ酸素を増殖し、CO2濃度を劇的に削減する切り札である。カルカッタは、ガンジーが断食し、マザーテレサが、学校や孤児院を開設し、貧困や疫病と戦った聖地であるからである。船の名前はイスカンダル、艦長は勿論、ジャッカルである。

日本の北アルプス山麓の隠れ家に居るという情報もある。ワインを飲みながら森の鶯とデュエットしたり、バルコニーで猿と鉄板焼きステーキをやっているとか、温泉に浸りながら、バッハ、アルビノーニ、テレマン、リスト、ショパン、ラフマニノフ、チャイコフスキーやジャズを聴いているとか、駅前の居酒屋で、世界で起こっている政治、戦争、歴史について捲くし立てているという情報もある。

クレオパトラが元カノだとか、第3次世界大戦は、もう始まっているとか、放射能除去ドローンを大気圏内に無数に打ち上げろとか、核無力化ウィルスを開発して拡散させろとか、人類の遺伝子をX細胞で書き換えろとか、宇宙戦艦ガンジーが地球を救うために火星を飛び立って地球に向かっているとか喚いているらしい。道を創らなければ人類が滅びる分岐点にあるからである。

ONE FOR ALL 🏉 ALL FOR ONE

ラグビーの基本精神にワンフォーオール・オールフォーワンがある。一人はみんなのために、みんなは一人のために!そして究極のノーサイド:戦闘中止!ヨハネ黙示録のオメガである。助け合い、互助会、協同組合そして社会主義の原理でもある。しかし、人類は、何千年経っても殺し合いを続けている。戦争が終わる気配も全く無い。
どうすれば、世界がノーサイドになるだろうか? どうすれば、核兵器を地球外共同墓地に埋葬し、幸せ開発目標を共有し、地球サンクチュアリを実現できるのだろうか?

近年、DEIと言われる規範が議論され始めた。
D:Diversity(ダイバーシティ)多様性
E:Equity(エクイティ)公平性
I:Inclusion(インクルージョン)包摂

私には、DEIが未来の箱舟の規範になるように思われてならない。
さらに、私はDEIに加えてEmpathyを提唱したい。エンパシーは、寄り添う感情移入である。

不条理をジャッカルする。この一点で私は生きて来た。種を紡ぎ、生命を繋ぎ、水と塩、食糧とエネルギーの世界回廊をつくり、ダイバーシティ/エンパシー/インクルージョン/サスティナブルグリーンを人類の最終到達価値として実現し、人類のターンブレイクを願い最後の時間と戦っている。


Diversity (ダイバーシティ) 
多様なDNAをハイレゾする

Equity (エクイティ) 
公正公平フェアネス            

Empathy (エンパシー)
人に寄り添い人を紡ぐ   

Inclusion (インクルージョン)
差異を包摂する

 

シリーズ目次

プロローグ
はじめに
シーズン1:1947年  
敗戦、帰還船、ビルマの竪琴
シーズン2:1960年  
60年安保、チボー家の人々
■ シーズン3:1962年 
松本深志高校、格闘家型剣道、宿題はマルクス、「渚にて」強行上映
シーズン4:1965年 
青雲の志 中央大学 学生運動
■ シーズン5:1966年 
全中闘委員長、全国初学生単独管理学生会館獲得
シーズン6:1967年 
成田空港公団現地事務所 突入総指揮、羽田
シーズン7:1968年
中大学費値上げ白紙撤回、10.21防衛庁突入
シーズン8:1969年
赤軍派に参画
シーズン9:1970年
3月31日よど号ハイジャック「 北朝鮮?!」
■ シーズン10:1970年
北朝鮮行きに反対した私が共同正犯/黒幕として起訴された。
謀議に参加しておらずアリバイもあったため裁判闘争スタート
■ シーズン11:1975年
獄中への一通の手紙
■ シーズン12:1984年
高裁、最高裁で謀議当日の私のアリバイは認められるも有罪判決確定。
プリズン留学12年、刑務所改革、提案制度、
房内所持書籍10冊・ノート3冊権獲得
■ シーズン13:1987年
早期仮釈放嘆願10万人署名 仮釈放内示、
大韓航空機爆破事件仮釈放取消
■ シーズン14:1989年
満期出所、友人たちがバスで出迎え、松本帰還
■ エピローグ